第1章 １度は夢にみること。

「シカマルくんが野球部って、ちょっと意外かも……ぷぷ」

「おいおい……失礼だぞ。まあ入る気ねえけど」

キバくんが、無理矢理ふたりを押し退けてベンチに隙間を作ってくれたので、遠慮気味に腰掛ける。

馴染みやすい人たちで安心した。

「キバくんは野球部？」

「いや、陸部とかイイよなぁって」

「あー似合う！かっこいいじゃんね」

「なあなあきりこちゃん、俺は？」

「ナルトくんはなんだろうね……バスケ？」

そういうことじゃなくって〜……とうだうだし始めたナルトくん。

かっこいいって言われたかったのは分かっていたけど、少しからかってみただけなのに。

その後は解散して、サクラちゃんたちの元に戻ると、野球部はやめようという話になっていた。

「野球部やめちゃうの」

「サスケくんの応援をするのよ、私たちは！」

「なるほどね。で、サスケくんは何部なの？」

「それが分からないのよ」

うーんと考え込むふたりを見て、あの口数も少なく、人との関わりを避けているように見える彼が一体何部に入るのか……

それともどこにも属さないつもりなのか、私も一緒になって考えてしまったのだった。