第1章 夢ですかね?
「…だいたい…お前、何で口を割らなかったんだ!!!あいつらは女でも子供でも、平気で殺す奴らだ!!」
「…喋ったらもう友達になれねぇ……!!」
「なれなくても死ぬよりいいだろ!!!何でそんなにダチになりてぇんだよ…おれと!!お前、おれに、どういう目に遭わされた!?とうとう、ここまでついて来やがって!!」
そう突き放す様な言い方をされたルフィだが、負けじと言葉を続ける。
「だって他に頼りがいねェ!!!フーシャ村には帰れねェし…山賊は嫌いだし…!!お前を追いかけなかったら、おれは、一人になる…一人になるのは痛ェのより辛ェ!!!」
「……お前親は…」
「じいちゃん以外いねェ」
「おれがいれば辛くねェのか…おれがいねェと…困るのか」
「うん」
エースの表情が微かに変わる。
「お前はおれに、生きててほしいのか…?」
「当たり前だ!!」
ハッキリと言い切ったルフィに、エースの眉間が和らいだ。
と思ったら、今度は私に視線が向いた。
「…それじゃあ、こいつは誰なんだ」
「あっ!さっき森で会ったんだ!!レンって言うんだ!」
『どうも、初めましてー』
「いや、初めましてじゃねぇよ!?…この辺じゃ、見ない顔だな。何処から来た?」
うーん。此処で正直に答えても良いけど、当然変な奴だと思われるんだろうな。
ま、言っても問題ない事だし、別にいいか。
『えーと、日本って所から来た。ん?正確には別の世界から来たって言うのかな?』
「…何、言ってんだお前」
明らかに引かれた目を向けられる。それもエースとサボにだ。
予想通りの反応に、レンはカラカラと笑う。すると何笑ってんだとエースに突っ込まれてしまった。
「ま、まぁ、ルフィが無事だった事だし良いじゃねぇか!」
『そうそう、生きててなにより』
全身傷だらけの姿は、見ていて痛々しい。
漫画の主人公であり、まだ幼いにも関わらず度胸があるといっても、今私の目に写っているのはただの少年で…
レンは堪らずルフィの頭を撫でくり回す。
「な、なんだよォ!!」
『何となく?』
嫌がるルフィに構わず撫で続けていると、ふとエースと目が合った。