第1章 夢ですかね?
『エースとサボもしてあげようか?』
「えっ!?」
「はっ!!?お、おれを甘ったれと一緒にするんじゃねぇ!おれはお前みたいな甘ったれ嫌いだしな!」
そう言われたルフィは、ムッとした様子で返す。
「甘ったれてねェよ!!おれは、強ェんだ!!」
「強い?どこが強いんだ。男のクセに泣いてんじゃねェか!!」
「トゲで殴られた事あんのかお前ェエ!!おれは7歳だぞ!!お前みたいに10歳になったら絶対泣かねぇし、もっと強ェ!!!」
「おれは7歳でも泣かねぇよ!!バーカ!!一緒にすんな!!」
「おれは誰よりも強くなるんだよ!!すげぇ海賊になるってシャンクスと約束したんだからな!!!」
「海賊!?お前が??」
エースとルフィの間では火花が散る。
『まぁまぁ、二人とも落ち着いて』
「…!?お前何か、体が透けてねェか!!」
『へ?…うそ』
サボの言葉に二人の視線が、こちらを向き、レンも思わず変な声が出る。
レンの身体は徐々に消えていた。
「レン、何で透けてんだ!消え、ちまうのか?」
『…そう、みたいだね』
内心驚きもあったが、何故か冷静さの方が勝っていた。
消えるということは、たぶん元のいた世界に帰る事だと感じたからだ。
『ルフィ泣いてるの?』
「なっ、泣いてねェよ!」
『本当に?』
「おまえは、何者なんだ?」
サボが話しかけて来たので、そちらに顔を向ける。
『私は別の世界から来たって言ったでしょ?』
「……」
「もう…会えないのか?」
ずっと黙っていたエースがポツリと呟いた。私はエースがそう聞いてきたのが以外で、少し驚くが直ぐにいたづらっぽく笑う。
『また、会えるよ』
「本当…か?」
『うん』
レンの透けていた体が、さらに薄くなる。もう、ここに居られる時間が、残り少ない。
『じゃあ、また何処かで。元気でね』
「レンもな!!」
「「……」」
「おれ、レンのこと忘れないからな!」
『うん!』
「約束だ!!」
そう言ってルフィとレンは、小指を絡ませた。
その間も体は透けていく…
レンはにっこりと微笑む。
『会えてよかった』
と呟いたが、それが三人に届いたのか、レンには分からなかった。