第7章 夢の島?
~ゾロside~
アイツはチョッパーに連れられ船の中に消えていった。
「別に騒がねェって!!」
「そんなわけないでしょ!」
「あァ、ルフィが静かにできるわけねェよな」
と、ウソップがナミに賛同する。それにルフィがむくれた様子で駄々をこねていると、ロビンが微笑みながら言った。
「じゃあ私が見ておくわ」
「おい!ロビン!ずりィぞ!!」
アイツはいつの間にかこの船の一員に溶け込んでいた。誰もアイツを怪しまない。
と、思い出したのは昨夜の事。
皆が寝静まった夜。コッソリと起き上がったアイツは何処かへ歩いて行った。
後を追うと、展望台へと上がって行くのが見えた。
オレも展望台に向かおうとしたその時、空が蒼白く光った。
「何だ!?」
縄梯子を急いで登ると、そこには"誰も"いなかった。
確かにこの目でアイツがここに登っていくのが見えた。なら何処へ消えた?
ふと、アイツはオレ達とは違う世界から来たということを思い出す。
今この場から消えたのもそれが関係しているのか?
考えても仕方ない、と考えたゾロはここでレンを待つことにした。
ピカッ…!!!
10分程経った頃、足元からさっきと同じ蒼白い光が湧いた。
あまりの輝きに目が眩む。そっと目を開くとそこには、横たわるレンの姿があった。
「おい…どうなってやがンだ」
寝息を立て、気持ち良さそうに眠るレン。
ゾロはその肩を揺らし起こす。
「おい、起きろ!!」
何度か揺らすと、寝ぼけ眼で起き上がった。
アイツはオレがいることに驚き沈黙する。その顔はどこか哀しみが混ざっていた。
一言二言交わすとアイツは風呂に向かうと、また消えていった。
"何処へ行っていた?"
と言えなかったのは、アイツのあの顔を見たからだ。
だが、アイツはオレ達に何かを隠している。
だからこの船にいる1人くらいは、アイツを疑わなくてはいけない。
「おーい、レンを部屋に連れてったぞ!」
「ありがとう、チョッパー!」
チョッパーが甲板へと戻ってきた。すると今度はオレの方へと歩み寄ってくる。
「ゾロ!ありがとうな!」
「あぁ」
「…?」
ただこの妙なざわめきは何なんだ。
ゾロは"それ"から気を反らそうと、その場を離れた。