第7章 夢の島?
とても大きな人影は、手に持っている武器を振りかざした。
ヤバイと感じたのか、みんなは船にあるオールを使い全力で漕いだ。
お陰であの人影と分厚い雲は遥か彼方だ。
みんなは疲れと安心感からか、ドサッとその場に座り込み、口々に言った。
「今日は何かがおかしいぜ……」
「巨大ガレオン船が降ってきたと思ったら」
「指針を空に奪われて………」
「妙なサルが現れて、船を引き上げる」
「でも、船ごと食っちゃうデッケーカメに遭って」
「夜が来て」
「最後は巨人の何十倍もある"大怪物"」
「…さすがにあれにはビビったね、どーも」
『…疲れた』
ふぅ…
「「「出ていけ~~~~!!!∑」」」
3人に蹴飛ばされたマシラは、空高くへ飛んで行った。
いつの間に乗り込んだのやら。
レンは重たい腰を持ち上げ、少し体を伸ばす。
すると、私の前に影が出来る。
「おい」
『ゾロ?』
レンの目線の先には、眉間に皺を寄せるゾロがいた。
「…お前、無理してるだろ」
『え、えと。別に無理はしてない、です?』
何のことか分からず、目をしばたたかせる。
ゾロの眉間の皺はさらに深くなった。
「チョッパー、ちょっと来てくれ」
「ゾロどうした?具合でも悪いのか?」
チョッパーは少し小走りで、駆け寄って来た。
「いや、おれじゃなくてコイツだ」
ゾロはそう言って、クイッと親指で私を指した。
チョッパーの視線が私へと向く。
「…確かに、顔が白いな。レン、ちょっとしゃがんでくれ」
レンはチョッパーの言うとおりにしゃがむと、チョッパーは私の額に手を乗せた。
「熱はないな。うーん、疲れが出たのかな。それなら、寝ればすぐ治る」
『別に何ともないけどなー』
「そうだとしても、ちゃんと寝なきゃ駄目だ」
チョッパーは私の額から手を離すと、ふんッと鼻を鳴らしながら言った。
…カワイイ。
「レン、具合でも悪いのか?!」
ルフィが駆け寄って来た。
その様子に、他のみんなも寄って来る。