第6章 空島への道
「ありがとう、レンちゃん。とても助かったよ!」
サンジは柔らかく笑った。
『いえいえ!なにか他にも手伝う事ありますか?』
そう言いながら棚の扉を閉め、サンジに向き直る。
「いや、もう十分手伝って貰ったから、レンちゃんは休憩してて?あっ、何か飲む?」
『それじゃあ、お言葉に甘えて。そうだな…アイスコーヒーをお願いします』
「わかった!じゃあ、ちょっと座って待っててくれるかな?」
『ハーイ』
レンは近くの椅子に腰掛けた。
座った位置からは丁度、窓から外の様子が見えた。
もう陽は出ているようで、さっきよりも空が明るくなっていた。
コーヒーの香りがフワリと香った。
キッチンの方に目を向ると、サンジの後ろ姿が目に入る。
金髪で、触ったらサラサラしていそうな髪をしていた。
すると、振り向いたサンジと目が合った。
「そんなに、オレのこと見つめて…もしかして、オレに惚れちゃった~?」
レンは一瞬驚いたが、直ぐに吹き出す。
『惚れてはいないけど、カッコイイとは思います』
「えっ…」
サンジは目を見開き、動きが止まる。
『…ん?どうしたんですか?』
「あっ、いや、何でもないよ!はっ、はいアイスコーヒー。砂糖とミルクは好きな量入れてね!」
サンジは少し焦った様子で、アイスコーヒーとミルクと砂糖が入ったカップをテーブルに置き、またキッチンへと向かう。
レンはサンジの様子に少し違和感を覚えつつも、それ以上突っ込もうとはしなかった。
私は目の前にあるサンジに作って貰ったアイスコーヒーに砂糖とミルクを入れ、グラスを口元へと運ぶ。
うん、美味しい。
コクコクと喉を鳴らし、コーヒーを飲み干す。
そして中身が無くなったグラスをテーブルに置くと、丁度同じタイミングでドアが開いた。