第5章 どこですか?
山の頂上から浜辺まで降りて来るのに結構時間が掛かってしまった。
理由は降りて来る途中、食べれそうな果物があったのでそれをを採りながら降りてきたためだった。
浜辺に着いた頃には、もう陽が暮れていた。
『これ、全部食べるんですか?』
「あァ、これでも足りねェ位だ。でも取りすぎるのも良くねェからな」
レンとエースの目の前には果物の山ができていた。
甘い香りがほんのり漂う。
『プフッ!エースもそういうこと考えるんですねー』
「おい、おれをバカにしてねェか?!」
『してない、してない……ククッ』
「してるだろ!」
少し拗ねた様子のエースは、そこら辺に落ちていた木の枝を集めた山に指先から火を放った。
ボウッと火が燃え上がる。
これはエースのメラメラの実の能力だ。
その火の明るさがエースの逞しい筋肉に影を作った。
つい見惚れてしまうほど……
って、私は何を考えているんだ!!?
恐るべし、イケメン…
レンは慌てて目を反らした。
するとふと、エースに声をかけられる。
『…おっと』
エースから放り投げられた果物を慌ててキャッチする。
「ほら、食わねェと全部食っちまうぞ!」
『…ありがとう』
エースの優しさに微笑みながらそう言うと、レンは側にあった倒木の上に座り、果物にかじりついた。
「ごちそうさまでしたー」
『ご馳走さまでした!』
暫く立てば、先程まで沢山あった果物がなくなっていた。
すると、エースが呟くように言った。
「今更だけどよ、レンは怖くねェのか?おれと一緒に居て」
ポカンとするレン。
だが間もなくして、首を振り答える。
『全く恐くないですよ。逆に楽しいです!』
エースはそれを聞くと吹き出した。
「…そうか。わりィ、変なこと聞いた。いや、おれ海賊だし」
『私も海賊です』
「え?」
今度はエースがポカンとする番だった。
『海賊。あれ?言ってなかったでしたっけ?』
「言って、ねェな。そうだ、ウチの"白ひげ海賊団"に来ねェか?もちろん仲間も一緒に」
エースの仲間になるのも面白そうだ。
だが我が船長はこう言うだろう。