第5章 どこですか?
レンは顔を歪め、咳き込んだ。
涙目になりながら咄嗟に、目の前にあるジョッキを手に取り、中のものを飲んだ。
「「「「「あ…」」」」」
レンはゴクゴクと喉を鳴らしながら全部飲み干してしまった。
たちまち頬に赤みが差し、頭がぽ~…とし始める。
「おい、大丈夫か?レン?」
「顔赤ェぞ」
慌てた様子で駆け込んできたウソップとチョッパー、それとルフィがレンの顔を覗き込む。
私の意識はそこでプツンと切れてしまった。
***
ここは何処?
何も無い真っ白な空間に
居るのは私だけ…
ふと後ろからサァと風が吹いた
振り向くとそこには
"桜"があった…
空間がピンクに染まるほど
沢山の桜の木
チラチラと花びらが散っていた
「レン」
誰かに名前を呼ばれ振り向く
***
『ん』
レンはうっすらと重たい瞼を上げた。
甲板で寝てしまったらしく体が痛い。
頭もズキズキと痛み、少しだが吐き気がした。
『痛っ…』
起き上がると、誰かが掛けてくれたのか薄い布地が掛かっていた。
隣に目をやると、ルフィとウソップとチョッパーが寝ていた。私は自分に掛かっていたのを掛けてやる。
周りにも目をやると、皆寝ていた。
喉が渇いた。
レンはノロノロと立ち上がると、キッチンへと足を向けた。
キッチンに着くと、コップに注いだ蛇口の水を一気に飲み干す。。
さっきより吐き気とかが少し良くなった気がする。
レンは使ったコップをシンクに置き、外に出た。
ふぁ~と大きな欠伸が出る。
その時ふと視線を上げた先に船の展望台が見えた。
『よし、展望台に行こう』
ちょっとした好奇心から、一人頷くと縄ばしごを登り、展望台へと上がる。
レンは目の前の光景に目を奪われた。
海は月の光でゆらゆらと輝き、空も満天の星で輝いていた。
『綺麗…』
そう呟かずにはいられなかった。
サァと風が頬をくすぐる。
ふと下で何かが光った。
それに目を向けると、首から下げている石が光っていた。
すると突然、ピカッ!とフラッシュのように石が光った。
『うわっ!!』
私はまたもや意識を手放した。