第1章 夢ですかね?
『いやぁーーーー!!!』
「うわぁーーーー!!!」
私は今、人生で初めて虎に追いかけられてます!
「わっ!!」
『ルフィ!?』
ルフィが木の根につまずき、それに気づいたレンはルフィの側に駆け寄る。
瞬時にルフィを脇に抱え、なんとか虎をかわす。
『あっぶねっ!!』
「また来る!」
虎が直ぐ様方向転換をし、目をぎらつかせながらこちらへ向かって来た。
ヤバい、このままじゃ!!
『……!!』
せめてルフィだけでも、と考えた瞬間、虎の動きがスローモーションへと変わる。
するとレンの身体は独りでに、というか本能的にサッとその場から横へと飛び退いた。
「ガウっ…!!!」
虎を避けた途端、スローモーションが終わり虎はそのままのスピードで後ろの木へと激突する。
堪らず虎は悲鳴を上げ、レン達を一瞥するとなんと茂みの中へ消えて行った。
『は、ははは…』
「すっげぇ…!!今の何だ!?シュッ、バッて!!」
と、ルフィが目をキラキラとさせながら此方を見る。
『うん、何だろうね。怖かったー…』
「おれは怖くなかったぞ!!」
しししっと笑うルフィ。
流石は未来の麦わらの一味のキャプテン。小さくても度胸が違うわ。
○○○
「…あ…森を抜けた」
『ふー、そーみたいだね』
その後二人はまた森の中を突き進み、やっとのことで森の先に辿り着く。
森を抜けた先はゴミの山が広がっており、煙が上がっていた。
「おえ!!くっせ~なんだここ」
ルフィは顔を歪ませ、鼻をつまんだ。
『確かに匂うね…』
「あ!!」
レンは声のする方へ、パッと振り向く。
『ん?ルフィ?て、えっ、ルフィは!?』
そこには先程までは居たはずのルフィの姿は見当たらない。
ちょっと1人はキツいんですけど!?
レンは消えたルフィを探しに駆け回る事となった。