第1章 夢ですかね?
うんうんと一人で納得していると、小さなルフィが私の頬を軽く引っ張る。
「おめー、さっきっから何一人でぶつぶつ言ってんだ?ほら、夢じゃねーだろ!」
『確かに、痛い』
小さいルフィにつねられた頬を擦りながら頷いた。
夢じゃないってことは、これは現実?いや、でもそんなことって本当にあるの?
「ところでおめー、名前なんて言うんだ?」
『天宮レンです』
「そっかレンだな!よろしく!!おれはモンキー・D・ルフィ!」
そして現在に至る。
「おいったら!」
『ん?ルフィどうしたの?』
「レン大丈夫か?さっきっから呼んでんのに返事しないし」
心配そうな顔をして覗き込んできた。考え事をすると周りが聞こえなくなるのは、私の悪いクセだ。
『あぁ、ごめん。考え事してた』
「そっか、ならいいんだ!ところでレンはこんなところに何で寝てたんだ?もしかして、この山に住んでんのか?」
『住んではいないよ。私も良く分からないんだけど、起きたら此処にいたんだよねー』
「へぇ~、で?」
『どうしよう?』
「さぁ、おれに聞かれてもなぁー」
ルフィの最もな意見にレンは肩を落とす。
「じゃあ、レンはこれからどうするんだ?おれはこれから、エースを探しに行くんだ!!」
『エース?』
「レン!エースを知ってんのか?」
『え、あ、うん。まぁね』
「じゃあ、今エースが何処にいるのか知ってんのか?」
ルフィはレンがエースのことを知っていると聞き、目を輝かせた。
あれ?ルフィがまだエースを探してるってことは、仲良くなる前の時点って事かな。
『居場所かぁ、えーっとなんだっけ。あそこ…《不確かな物の終着駅(グレイ・ターミナル)》に居るかもしれない』
「本当か!?グレイ…なんとかってところにエースが居るんだな?それは、どう行ったら行けるんだ?」
『たぶん、あっち?なんか匂いがするし』
私は腐った様な匂いのする方へ指を指す。
「よし、じゃあ一緒に行こう!!」
『ちょっと、ルフィ待って~!』
ルフィとレンは匂いのする方向へと進んで行った。