第4章 再会
『暇だなぁ~』
クゥー、クゥーと空ではカモメが飛んでいる。
手首に着けているログポースに目をやり、航路に異常がないか確かめる。
『異常無し』
レンはケインの下で航海術も教えられていた。覚えるのは、中々大変だったが何とか基本は覚えた。
『まぁ海は広いしな、いつルフィに会えるのやら…。確か、この前見たルフィの賞金額は3千万ベリーだったから…アーロンを倒した辺りからアラバスタの辺りか…』
我ながらよく覚えているな。恐いくらいに…
レンはドサッ!と寝ころがり、首から提げている石を太陽の光に照らす。
石は光に照らされ、キラキラと光った。
因みにこの石は、風呂に入る時や寝る時以外は肌身離さず身に付けている。
ふぁ~…と大きな欠伸をし、空を見上げる。
前回この世界に来た時は、ほんのニ、三時間しかいられなかったのに、どうして今回は一年間この世界に止まれたのだろうか。
原因を考えれば答えは簡単で、結局はこの石に辿り着く。
しかしこれを手放すと、逆に元の世界戻れない気がしてやまない。
『みんな、元気かなぁ』
元の世界に残してきた、家族や友人達に想いを馳せる。
きっと一年も行方不明になった私を心配しているに違いない。
しかし帰る方法も分からないんじゃ、どうしようもないことに変わりはない。
『ん?』
ふと、海の向こうに何かがあるのに気付く。レンは双眼鏡を取りだし覗く。
『げっ、海軍じゃん…仕方ない。少し遠くなるけど、遠回りしていくか』
レンは船の航路を変えて進んだ。しかし、海軍の方もこちらに気付いたのか、どんどんこちらに近付いて来た。
何でこっちに来るんだよ!!?
逃げても逃げ切れる別けなく、とうとう海軍の船に追い付かれてしまった。