第4章 再会
~一年後~
「もう行っちゃうのね…一年って短いわ~」
『うぐっ!痛い!ケイン、力強い!』
ケインに力強く抱き締められ、腕の中でもぞもぞと動く。
時は経ち、早くも一年。
レンは今、ケインや街の人達と共に港にいる。そう、船出の時だ。
この一年でレンは、強くなったと同時にこの街の人達とも仲良くなった。
「それにしても、本当にその格好で行くの?」
『だって、動きやすいから』
「あ~、もったいない」
ケインがボソッと呟く。
レンの今の格好は、ショートブーツにジーパン、フード付きの半袖に背中に刀を提げている。
因みにこの刀は、ケインから貰った物だ。
打刀で、"霧雨"と言うそうだ。
髪型はボーイッシュカットになり、前より少し大人びた雰囲気を纏っていた。
「あっそうだ、これを渡すのを忘れていたわ!」
『こっ、これ、ビブルカード!!!…と、サングラス?』
「念のため作っておいたわ!それとそのサングラスは目を隠す用よ!あなた一応、海軍から狙われているんだからね!!」
『逆に、怪しくない?…でもありがと!!大事にするね!』
そう言って、レンは貰った小さい漁船に乗る。
今日は良い船出日和だ!
「元気でいろよ!!」
「ちゃんと食べるんだぞ!」
街の人達の別れの言葉に笑顔で返す。
レンは港から船を出し、島から離れて行く。
『じゃ~ね~、みんな!!』
遠くでみんなが手を振ってくれ、レンも手を振り返す。
さて、冒険の始まりだ!