第3章 新たな出会い?
と思ったら、その人は瞬時に私と剣を持つ男の間に入り、鞘に収めたままの刀を男に思い切り突き付けた。
「ゴフッ…!!!」
男は後ろにぶっ飛び、その仲間達に激突する。男はその一撃で泡を吹き、気絶した。
「船長!!?」
「うちの島から消え失せな!!さもないと、その男より酷い目にあうわよ!」
空気が一瞬にして変わった。
後ろ姿でも威圧感がすごく、レンは足がその場から動けなかった。
「…やっ、野郎共!今日のところは引き上げるぞ!」
一人の男がそう叫ぶと一斉に、自分達の海賊船へと乗り込み、この島から離れて行った。
刀を持った男の人が、腹を刺され倒れている男の人に近寄る。それにつられ、レン達も近寄り、家に隠れていた街の人達も出てきた。
「血の量がヤバいわね…。ドクターはどこ?!」
「ここにおる!!」
ドクターは男の人に応急手当をし、男の人を看護師の人が担架に乗せ、この街の病院へと連れていった。
三人の子ども達と女の人はそれに、ついていった。
『……』
レンはその一連の出来事を見守っていることしかできなかった。
不意に刀を持った男の人がこちらを向き、声をかけて来た。
「あなた、ちょっと着いてきてもらえるかしら?」
『え?あっ、はい』
レンが連れてこられたのは酒場だった。ちなみに、人はいなかった。
レンはカウンター席に座らされ、隣に男の人も座る。
「さっきはありがとう。急に連れて来ちゃってごめんなさいね。私はケイン。あなたは?」
『レン。天宮 レン、です』
「レンちゃんね!よろしく」
先程までの表情と違い、にこやかな笑顔を見せる。
男の人は、それで…と話を続ける。
「あなた、この世界の人間じゃないでしょ」
『なんで、それを…!』