第1章 王子、恋を知る。
脱いだ服を丁寧に畳み、これまた広い脱衣所の隅にある台へのせた。
何枚か用意されている純白のタオルを1枚纏い、バスルームに足を踏み入れる。
そのまま湯の中に入ると、とても熱いという訳では無いが、ぬるいわけでもない……とてもちょうど良い温度にうっとりとした。
薔薇の風呂に初めて入った私は、しばらく薔薇の花で遊んでいたが、そろそろ体を洗わねばと立ち上がった。
薔薇の描かれたボディソープの隣に開封されていない袋があり、私はきっとそれがボディスポンジだと判断して封を開けた。
思った通りそれはボディスポンジで、キャンディのような形をしており、所々に同じ材質で出来た小さなリボンが散りばめられている。
レオンたら、こんなものまで用意していたとは……。
案外少女趣味に理解があるのかな?と少し笑ってしまったのは内緒。
レオンside……
「じゃあ、よろしく頼むよ」
「ええ。任せてちょうだい」
彼女を解放する前、特に事情は話していないが、カミラ姉さんに女性が喜ぶようなバスルームを用意して欲しい、と頼んだ。
詳しく聞かず、ただ微笑んで了承してくれた姉さんに心から礼を言いながら、少しだけ不安を感じる。
姉さんのことだから、やり過ぎないといいんだが……。