第7章 迷える荒北
一方、食堂では福富と荒北が話しており
「お前がそんな事で不調になるとはな」
「なってねーし!福チャンまで何言ってやがる」
「仕事は怠るなよ」
「当たり前だ」
真面目な雰囲気に変わった荒北に福富は一安心し、
「メイは凄いな」
と一言。
「けっ、なんも凄くねーよ。いきなり離れるとか言い出して馬鹿じゃねーの。前と後ろの席でどーしろっつーんだよ・・・」
とぶつくさ言う荒北。福富は内心、荒北が人に戸惑わさせられてる様子を楽しんでいた。
「早く宮田やチームのためにもメイと仲直りをするんだな。」
「だーかーら!喧嘩じゃねぇっての!!」
「いいな」
荒北の罵声に福富が言うと仕方なくあぁと返事をした。新開達はと言うと名の話をきいて呆れかえっていた。
「早くくっつけ!同じ苗字同士、くっついたってどーせ同じであろう!」
「はい!そこ、どーせとか言わない!」
「心配して損だったとはこう言う事だ!」
と東堂と名が売り文句に買い文句でやりあう。
「そんな意地、何にも役に立たないぞ。早く名から仲直りすれば済む話ではないか。素直な気持ちは大切だぞ」
「いや、良いこと言ってる風だけどさぁ」
と二人のやりあいをみて
「おめさん、靖友の事嫌いか?」
「嫌ってはないぞ!」「ううん」
尽八にじゃないよと言った顔で新開が続ける
「くっつくかどうかはともかく、だからって離れる必要ないだろ。」
「・・・うん」
頷く名に微笑む新開。
「なら、仲直りしないとな」
「うん」
「W荒北が元気がないとこっちの調子も狂うよ」
「良いか!早くケリをつけるのだぞ!」
2人の優しい言葉、クラスに戻るとふて寝している後ろの荒北君。
(さて、どう切り出せばいいのやら)
そうして昼休みが終わるチャイムが鳴った。