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【弱ペダ・荒】荒北と荒北さん

第7章 迷える荒北


「って事があったんだけど何だと思う?」
とアヤに聞けば
「付き合えば?」
と唐突に言われる。
「は?」
「だってずっと一緒じゃない?一緒じゃない時あるの?」
「あ」
あるよ!と言おうとし、全くないことに気づく。昼も移動教室も、部活に帰宅時も荒北と殆ど一緒だ。
「名チャン、部活ー」
「あ、うん」
アヤのクラスに名を迎えにきた荒北。迎えに来てと言ったのは名自身だが
「ホラね」
と言うアヤに頷く事しかできない名。
「全く、1人で行けよ部活位」
「ご、こめん」
先程の話で荒北の顔が見れない。荒北が誰かと行動を共にするタイプとは思っていなかったはずなのに、なぜ自分とはこんなにも居てくれるのかをやっと気づいた瞬間だった。
「どした」
いつもと違う声が聞こえて顔を上げると心配そうにする荒北。
「ううん」
「そうか」
「うん」
その日はなんだか顔を合わせにくく、帰り道。
「あ、明日から荒北君から離れる!」
そう言うと、荒北が不思議そうな顔をした。
「・・・一緒に居すぎると思うんだ」
暫しの沈黙。切り出したのは荒北だった。
「まぁ、好きにすれば?」
となんだか寂しげに笑っていた。次の日から昼食は別でとり、部活も別で行く様になり、教室でもあまり話さなくなった。
「メイはどうした荒北!」
「しらね」
「なんだ、おめさんら喧嘩でもしたか?」
「してネーよ」
顔を見合わせる東堂と新開。そして、
「メイ!」
「はいっ!」
「あ、東堂様ー」
アヤのクラスに行き
「来い!」
「え?ぁ、はい!」
と名を屋上に呼び出す。
「荒北の事だが」
名には予想通りの問いだった。分かっている、最近タイムが狂い出した事、元気が違う方向に向いてる事、ローラーも粗っぽく回している事。
「どうにかしろ!インハイも近い、福を運ぶ奴があんなでは困るのだ!」
と仁王立ちの東堂。全くもってその通りだが、
「どうにかしろっていきなり過ぎるだろ」
と新開がフォローに入る。
「メイどうしたんだよ。」
そうして経緯を話す事となった。
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