第7章 迷える荒北
3年になり
「荒北ー」
「はい!」
「荒北ー」
「はい」
クラスに荒北が揃った。
男女順で名は荒北の前になり、
「荒北君お昼行こー」
「おー」
と昼になれば荒北と共に移動し、文系に行ったアヤとは別で昼食をとる様になったものの、メンバー達とは変わらず一緒に昼食をとっていた。そして
「部活行くぞ」
「おー」
と部活になればこれまた共に移動と、荒北同士で居ることが殆どになった。
「ビアンキの調子大丈夫そう?」
「んな事言ってっと宮田に絞められんぞ」
「うわー宮田恐いんだよ。今年2人でやってくなんて」
「なんて、なんだよ。」
「げ、宮田!」
部活への移動中、宮田に後ろを取られる名。
「今年は頑張らなきゃだぞ」
「分かってるよー」
「大丈夫だと思ってなかったらレギュラーのバイクなんて触らせてないから」
「分かってる」
荒北を追い越して2人で歩く姿は荒北の目にはまさに、
「何しょげてんだよ靖友」
!!。突然の新開の登場に驚く荒北。
「しょげてねーヨ!なに言ってんだ」
その反応に笑う新開。前を歩く2人は呑気に新開に挨拶をし4人共に移動する。
「そう言えばメイは宮田だけは呼び捨てだな」
はたとする名。
「そう言えばそうだね」
横では宮田が俺も大事にしろよと戯言を言っている。
「俺達の事も呼び捨てで良いんじゃない?俺達も呼び捨てにしてるし」
そう新開が持ち出したものの、結局呼び方は直らず
「残念だったな靖友」
「だから、なにがだって!!」
「ま、頑張れ。」
「おい、コラ新開!」
その様子を見て宮田も
「ま、メイも頑張れ」
「え?宮田まで?」
と宮田と新開は荒北同士を置いて先を行く。
「なんだっての!」
「宮田ー?!」
と後ろを歩く2人がおかしくて仕方がない、前を歩く2人だった。