第4章 恋知りの謳【謙信】
「ああ…っ…あ…ああん…っ…あ…っ。」
目を反らすことを禁じられた美蘭は、
謙信がはち切れんばかりの猛りを、自分の中にグチュグチュと抜き差ししている姿を、見上げ見つめていなければならなかった。
「…っ…は……っ…」
見たことのない快楽に耐える謙信が、腰を振り続ける。
ぱちゅんぱちゅん!と、はしたない音を立てて、開いた口を閉じることすら叶わず、喘ぎ声が止まらない。
こんな恥ずかしい姿を、目の前の左右色違いの瞳に映しているのかと思うと恥ずかしくて仕方ないのだが、
快楽は増していき
はしたない姿はさらに乱れて行く。
その羞恥に満ちながらも、快楽を受け入れている美蘭に、吐精感が湧き上がった謙信は、
「最後まで…逸らすなよ…っ…。」
これ以上ないほど激しく律動した。
パンパンパンパン!と肌がぶつかり合う音と、グチュグチュと蜜の水音と、2人の激しい呼吸が、部屋の中に響きわたり
「ああああ…っ…っ!」
観念して痙攣した蜜壺にギュウギュウと締め付けられた謙信は
「……っ…。」
これまで感じたことのない快楽に飲み込まれ、
白い欲望を美蘭のナカに吐き出した。
*・゜゚ ・*:.。.. :.。. .。.:* ・゜゚・*
夜着に身を包んだ2人は、そのまま同じ褥で眠った。
美蘭を腕に抱いて眠った謙信は、
心地よい疲れと、人肌のあたたかさにこの上なく安心し、うなされることはなかった。
美蘭と一緒なら、
毎晩うなされず眠れるのではないか。
美蘭なら、
ずっと側に置いてもいい。
…いや、置いておきたい。
そう思った謙信は、腕の中の美蘭を抱きしめて、髪の毛に優しく口付けを落とした。
「……謙信様…。」
「…なんだ。」
「皆さんが起き始める前に部屋に戻ります。」
そう呟いた美蘭。
「そんな必要は…「わたしは織田の人質です。」……!」
「……っ…。」
「お城の主のお部屋から…敵軍の人質が朝帰りなんて…見られてはいけないと思います。」
美蘭の言葉の通りだった。
情熱につき動かされ
そうした事を何も考えていなかった謙信に
腕からすり抜けて部屋を出て行く美蘭を
引き止める術は何もなかった。