第4章 恋知りの謳【謙信】
女嫌いと世に異名が蔓延ろうとも、
一国一城の主である。
権力に群がる女や、自分の娘や女を献上してでものし上がろうとする輩は常に謙信を取り囲んでいる。
無論謙信も男。
気まぐれや、生理的な欲のはけ口として、幾度となく女を抱いたことはあるが、
排泄を済ませた程度の感覚しか感じたことはなかった。
それが、
今のこの感覚は何なのかと思うほどに、
美蘭を欲している謙信。
女が啼くことに心が動いたことなどなかった。
煩いと黙らせたことすらある。
あったのは、己の男の欲のみ。
美蘭の甘い声や、恥ずかしがりながらも自分に翻弄されていく様には
どんな小さな変化も見逃したくないほどに夢中になり、
また全てが愛しいと感じ、
目の前のこの女の身も心も全てを自分が支配してやりたい…という激情が胸の中に押し寄せた。
美蘭のひくひくと誘う花びらに、自身の猛りを擦り付けると、美蘭はそれだけで身体をビクビクと震わせた。
その淫靡な光景にもう耐えることができなくなった謙信は、
美蘭の密に塗れた猛りを
ゆっくり(…くちゅり。)
ゆっくり(くちゅ…っ。)
水音を響かせながら美蘭の蜜壺に差し込んだ。
「あ…ああ…っ…謙信…さま…っ」
美蘭は甘い甘い声をあげ、
中をギュウッと締め付けた。
「…っ…。」
挿入しただけで達してしまいそうな快楽に、
繋がれただけで満たされた心に、
謙信は目眩いがするようだった。
律動を繰り返せば繰り返すほど、美蘭の声は甘く淫靡に色づいていき、とめどなく蜜が溢れ出る。
抽送はやがて、ぱちゅん!ぱちゅん!と、水音を伴うものとなり
「ああん…っ…あ…は…っ…ああっ!」
美蘭は押し寄せる快楽に声を上げることしか叶わず、目をぎゅっと閉じていた。
「…っ…美蘭…。目を開けろ…。」
自分をその瞳に写したかった。
自分を見ようとしない快楽に啼かされている美蘭を見て、自分が与えた快楽にすら、嫉妬した。
「…っ……謙信…さま…?」
「俺から目をそらすな…。」
「…?…!…つ…きゃ…ああっ…ん!」
色違いの瞳に見下ろされながら命じられ、
美蘭は従う他なかった。