第3章 青い春の謳【三成】
「ぶーーーーーッ!!!?」
秀吉が飲んでいたお茶を盛大に吹き出した。
「…な…なんだって??!」
此処は秀吉の部屋。
朝からずっとこの部屋で三成と共に書簡の整理をしていた。
途中、詳しく記述された本で調べなければ進められない案件があり、三成に書庫に取りに行かせていた。
少し帰りが遅いので、またどうせ気になる本でもあって見入ってしまっているのかと思った秀吉は、休憩も兼ねて茶を入れて飲んでいたのだったが。
「秀吉様、教えてください。女の方というのは、感じて気持ち良くなると…蜜が足を滴るほど溢れるものなのですか?」
戻った三成の第一声が、これであった。
秀吉がお茶を吹き出したことなど全く気にしていない三成は、不思議そうな顔で更に続けた。
「ちょっと気になった本を覗き見ましたら、そのような記述があったのですが。美蘭様のそんなお姿を…わたしは拝見したことがないのです。」
「ぶーーーーーーッ!!!」
やっと先ほど吹き出して汚した文机を拭いたばかりだというのに、秀吉はまたお茶を吹き出した。先程よりも更に盛大に。
今度は妹のように可愛がっている美蘭の話である。取り乱すのも当然だった。
「あんたまさか…解してやりもしないで自分のモノ、差してるんじゃないだろうね?」
「おいおいまさかだろ?」
そこに、合流する予定だった家康と政宗がやってきた。
「家康様!政宗様!お詳しそうな皆様が揃われましたね。助かります。解す…とは、何のことですか?」
「三成お前…!!」
「うわ…最悪だな。お前。」
秀吉は自分の可愛い部下の失態を悟り、頭を抱えた。
「今朝美蘭が、痛いところに塗りたいからって軟膏取りに来たんだけど。見せられない場所みたいだったし、間違いない。あんたの抱き方が悪くて美蘭を傷つけてるんだよ。」
「わたしが…美蘭様を??!」
「そうだよ。どうせ昨日も伽をしたんでしょ?」
「…はい。でもそんな…終わった後も美蘭様は可愛らしく笑ってくれて…」
「あの娘が、必死なあんたにダメ出しなんか出来ないってわかんない?肌を擦れば怪我をするでしょ?準備のできてない膣に、石みたいに固いモン差すなんて、乱暴してるのと一緒。」
家康の言葉に、三成は顔面蒼白になった。