第22章 第21章 恋知りの謌【謙信】湯治編 〜車輪〜 ③
「医者を…呼んでくるから待っていろ。」
そう言って、身体を離そうとした謙信。
愛しくて仕方なさ過ぎて
このままでは男の性を収め切れる自信が無いと感じた謙信は、
流石にまだ蛇の毒が抜け切れてもいないかも知れぬ恋人を抱くわけにはいかないと思い、心身を落ち着けるためにも、少し恋人から離れたいと思った。
しかし
「…っ?!」
先ほど自分の胸を押し戻した恋人が、
今度は、胸に顔を埋めて抱きついてきた。
「…嫌です…っ…。」
「…美蘭…?」
「このままが…いいです…。」
本当は離れたくないと思っていた謙信の胸は、ドクリと音を立てて鷲掴みにされた。
「今は無理をさせたくない。だが…このままでは歯止めが利かぬ…」
身体の芯に灯る熱をなんとか封じながら、苦しそうに目を細めて、懇願するように美蘭に気持ちを伝えた謙信だったが
「止めないで、ください…。」
「…!!!」
縋るような、どこか熱を宿した美蘭の瞳で見つめられると、自制心はあっけなく引き剥がされた。
「…っ。どこまでこの俺を翻弄するつもりだ…」
眉間にシワを寄せそう言うと
謙信は、吸い寄せられるように、美蘭の唇に口付けた。
「ん…っチュ…チュク……」
それは、
体調を気遣って触れるように繰り返した口付けとは違う、
熱く、深く、甘い、口付け。
絡み合った舌先の柔らかさと温かさは
2人の身体の芯に熱を灯し、疼かせた。
首の包帯だけはそのままに、
繰り返し響く水音と、漏れ聞こえる吐息に煽られるように着物を取り去り、生まれたままの姿になった2人は、
お互いの熱を、存在を、伝え合うように深い口付けを繰り返しながら、お互いの身体を弄り合う。
謙信の手が、柔らかい乳房を揉みしだき、乳首を捏ねれば、
ビリビリと全身に広がる快楽は美蘭に生きている実感を感じさせた。
花びらに指を這わせれば、そこはもう十分過ぎる程潤っており、
快楽に囚われ口付けをかえすことができなくなった美蘭の、甘い喘ぎ声と吐息は、謙信に美蘭の存在を確かめさせた。