第15章 恋知りの謌【謙信】湯治編 〜恋心〜②
さすがは軍神というべきか。
美蘭を抱き上げる瞬間
隣に座る秀吉に向けた謙信の視線に込められた凄まじい殺気。
それはまさに、
討ち入り直前の武将さながらであった。
(あんな顔で牽制などしなくとも…おまえのモノだろうが。)
美蘭を横抱きにして歩き去る謙信の後ろ姿を、
秀吉は重苦しい、なんとも言えない気持ちで、ただ黙って見送った。
「…謙信様…ありがとうございました。」
美蘭は、謙信を見上げて言った。
「何のことだ?」
「織田のみなさんのことをわたしの…家族…って…。」
「みたいなもの…と申しただけだ。」
「それでも…嬉しかったです♡」
「仕方あるまい。おまえが大切なものは…俺とて無下にはできん。」
謙信は淡々と無表情であったが、
この戦国の世にあって、敵対する武将を受け入れるとは困難であることに間違いない。
美蘭は、そんな難儀なことを自分のためにやってくれた謙信が愛おしくて、胸がきゅんと高鳴った。
横抱きにされたまま、愛しい気持ちを流し込むような気持ちで、逞しい謙信の胸板にギュウッと抱きつくと、
愛しそうに色違いの瞳を細めた謙信が、
美蘭のつむじに優しくちゅ…と、口付けた。
2人の間には、
甘い
甘い
くすぐったくなるような甘い空気が漂っていた。
「…っああっ…ま…た…イッちゃ…ああああ!」
一転、夜の褥での謙信は、
何かの感情をぶつけるかのように、美蘭を淫らに責め続けた。
繰り返し繰り返し果てさせられても終わることのない執拗な快楽の沼から抜け出せずにいた美蘭は、
赤い組紐で両手首を纏められて頭の上に固定され
寝着は帯を解かれぬままに合わせを広げられ、乳房は現になっており、帯の下も広げられ、全てがさらけ出させられていた。
「おまえの中が俺の指を食いちぎりそうだな?」
「…っ…ああ…っ…。」
繰り返しイキ続けた美蘭の膣は、うねりと痙攣が止まらないような状態になっており、
美蘭の脚の間で膣への律動を繰り返している謙信の指をギュウギュウと締め付けていた。