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【イケメン戦国】恋花謳〜コイハナウタ〜

第1章 梅の花 嫉妬の謳(秀吉誕生祝い2017)


自分以外の女の人の元に帰るなんて耐えられない。


…そう思っていたばかりだと言うのに。



求められたら


もうそれだけで生きて行けるような気がしてしまった。



(秀吉さんが、好き…。)



政宗が言っていた、
側室でもいいという女の気持ちが
わからなくないような気さえした。



(………好き………)



美蘭は、秀吉の荒々しい口づけに
必死に応えた。



(秀吉さんがわたし以外の人にもこんなことするなんて絶対嫌だけど…)


美蘭は、


知ってしまったこの愛しい温もりを


自分から手離すことなどできそうにないと思った。



秀吉にされるがままであった美蘭が自分から口づけをかえすと、さらにそれは深まって


お互い相手を求め貪るように褥の上で絡みあった。








素直で可愛らしい美蘭は、
誰からも可愛いがられている。


…いや、それは適当な言葉でなないな。


誰もが、あわよくば己のものにしたいと思っているのは間違いない。





最近思いが通じ合い、


2人で過ごす蜜のような時間に惚けていたが


この2人の関係を揺るぎないものにするためには、やらねばならないことがある。





それは


美蘭を「俺のもの」と明言されている御館様への報告と、美蘭を「自分のもの」にしたい周りへの周知。


それをするまではけじめがつかない…と、美蘭を抱きたいのも我慢をしてきたのだ。




そんな折の今日の宴。


身なりを整え、御館様の隣りに並んだ美蘭を見た瞬間、


息が止まるかと思った。



御館様の隣りこそが、美蘭の居場所ではないのか?と。


あの方が美蘭を大切に思っていることはわかっている。




御館様は鋭いお方だ。


この俺の胸の内など、とうに見透かされいるはず。


その御館様が婚儀に使用する懐剣を与えたということは、


美蘭 は自分のものである、との周囲への…いや…この俺への牽制なのではないか?



御館様が、


美蘭を正室や側室に迎えると言われたら?



お仕えしている御館様の幸せも、


美蘭とともに歩む自分の幸せも、


どちらも譲れない。




…俺はどうしたらいい?
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