第1章 梅の花 嫉妬の謳(秀吉誕生祝い2017)
「ん…っふ…っ…チュ…チュク…は…っ」
それは乱暴な口づけだった。
思いが通じた日に身体をつなげて以来、
身体をつなげていない2人。
それでも
隣にいるだけで幸せを感じていた美蘭。
いつも美蘭を気遣い優しく甘やかしてくれる秀吉が繰り返す優しい口づけや抱擁には、いつも、どんな時でも、くすぐったいほどに愛が溢れていた。
それなのに
今与えられている口づけは、違った。
力で支配するだけのような荒々しい口づけに、
美蘭の心には不安が募る。
(いつもみたいに優しくしてくれないの?)
家柄も釣り合う女の人たちに会ったら、自分が疎ましくなったのではないか?と。
すると今度は荒々しく抱き上げられた。
そしてずんずんと歩き進め
「…!秀吉さん…っ…どうし…!!!」
どうしたの?と問いかけることすら許されず
褥のうえに降ろされた。
横たわる美蘭を見下ろす秀吉は
何かに怒っているようだった。
ドクンドクンと波打つ
心臓の音しか聞こえないような静寂と緊迫感の中
秀吉を理解したくて必死に見上げれば
せつない瞳の奥には、
いつもの秀吉がいるような気がした。
わずかに残る秀吉らしさに近づきたいと思った美蘭は、
秀吉に手を触れたくて、
ゆっくりと身体を起こそうとした。
瞬間
「…き…ゃ…ッ…!」
秀吉が美蘭を、引き倒した。
ぽふん!と褥に縫い止められ、
「俺の…モノだ…っ…」
余裕のないつぶやきとともに、寝衣の胸元を暴かれた。
「……ッ!!!」
乳房が、ひんやりとした空気に触れた。
でもすぐに、
熱い口づけに口内を犯され、
剥き出しになった乳房をやわやわと揉まれ、
美蘭の体温は上がり始める。
「…チュ…ッ…は…っ…チュク…」
乳首を捏ねられながら、
俺のモノと呼ばれたのが嬉しくて、
そんなたった一言に嬉しくなって
何があったのがわからないが、
秀吉の全てを受け止めてあげたい。
そう思った。