第2章 濵田崇裕
「……ゃん、…えちゃん!姉ちゃん!!」
『うあっ!?!なに!?』
「…そこまで飛び起きんくても。」
熱上がんで、と冷ややかな目
『のぞむ。どうしたん?』
「濵ちゃん来てんで〜?上げてええやろ」
てか上げたけど〜
とのぞむの後ろには濵田くんの姿。
「来てもうた、堪忍なぁ」
お土産あるねんで〜と
おっきなビニール袋を床に置き
さもテレビショッピングみたく
一つ一つ紹介し始める。
「ごゆっくり〜♩」
ニヤニヤしながら出てったのぞむ。
それに気付かず、
「…んでぇ、これはみかんゼリーな!
好きなもん分からへんかったからさ〜
桃とかブドウとかぁ、色々あるからなぁ
そして、スポドリ〜。これ必須よなぁ
ちゃんと水分補給しとるー?
のんすけの事やから気ぃ利かへんやろ?」
あははは〜と
楽しそうにまだまだ買ったものを
説明する濵田くん。
何しに来たんだこの人は。
「あと熱冷まシートも一応あるでぇ!
タオルやと何回も冷やさなやろ?
面倒やしこっち貼っとこうや〜。
あと薬な。あ、あやしないでー?
薬局で聞いて買ったやつやからなあ
はよ治すには薬がいちばんやからな!」
『うん』
「それと、りんご。
あとで俺が剥いたげるわ
ウサギと普通とすりおろしどれがええ?」
『どれでもいい』
「どれでもいいわあかんでぇ
濵ちゃん、どれでもいいって言われると
自分で決められへんからさーあ?」
『…じゃ、じゃあウサギで』
「んへへ〜。女の子やなあ」
任しときい!
とドヤ顔の笑顔で言うと、
リビングに居るであろうのぞむを
大声で呼び始める濵田くん