第2章 濵田崇裕
「えーなにぃー?」
「包丁、あとコップ!
スプーンと…箸も持ってきてや!」
「パシリぃ?どんだけ食わせんねん
姉ちゃんが豚になったら濵ちゃんのせいや」
もお〜と面倒くさそうに
取りに行ったのぞむ
豚にはならないよのぞむ?
「看病って張り切ってまうよなぁ
俺が元気にさせたるっ、って思うし。
笑ってくれると嬉しいもんなぁ」
『そうなんだ』
「俺な〜、ええ奴やってよく言われんねん」
『…だからなに』
冷たく言い放った言葉に、
目をまん丸。
そしてすぐケラケラ笑う
「濵ちゃんはアホやな〜って笑うてよ!」
もうっ、嫌やわぁ!と
どっかの奥様みたいな仕草
元気100パーセントな濵田くんに疲れて
ふいっと顔を逸らした
そのまま寝てしまおうと目を瞑ると、
濵田くんは熱く火照った頬を
優しく撫でた
「…はよ良くなってなぁ…?」
ふふ、と嬉しそうに
繰り返し優しく撫でるから
こりゃ熱が上がっちゃうなぁと
ドキドキした
end.
「包丁とコップとスプーンと箸、はい」
「さんきゅー」
「姉ちゃん寝てもうてるやん…また」
「ええなあ、こんな姉ちゃん!」
「こんな病弱な姉なんか要らんわ〜」
「えー。ほな俺にちょーだいよ」
「嫌やわ、濵ちゃんにやるかいな」
「えっ!?なんっでや!」
「しばらく姉ちゃんは俺のもんやのー」
「シスコン」
「うっさあーー!だまれぇーー」