第2章 濵田崇裕
『うーわあ、38℃とか…』
体温計の数字を見てテンション下がって
さらに熱が上がりそう。
おえ、吐きそう。
昨夜、大学の友人達で飲み会を開いた。
幹事は濵田崇裕。
背が高くてなで肩で、馬面。
いつも笑ってる彼の周りには、
常に人が1人2人はいた
いや、もっと居たかもしれない。
その飲み会に私も誘われ、
まあ誘われたからには行かなきゃなあと
謎の使命感にかられて、
飲み会に参加した。
今思えば参加しなきゃよかった。
ぎゃあぎゃあ騒ぐ人の中、
人見知りの私は打ち解けられず
挙句、お冷をぶっかけられる始末で
しーんと静まった空間に
耐えることは出来なかった私は
『だ、大丈夫ですよ〜このぐらい〜…はは』
なんて誤魔化したけど、
まったく大丈夫ではなかったのだった。
「無理して飲み会行くからやで
知らん人ばっかの飲み会に行くって
何が楽しいねん。姉ちゃんもアホやなあ」
『あーうっさ。病人に暴言とか』
「説教って言うねんでこれ。
俺、居るから何かあれば呼んで」
起きんなよ、
と吐き捨てドアをパタリと閉めた。
我が弟ながら面倒見はいいな。
なんて、関心しながら
治すためには寝なくちゃと目を閉じた。