第2章 濵田崇裕
初めて会ったのはが小さい頃。
一回り上の俺は、
オカンにお世話を押し付けられ
その時はかなり不服やった。
無邪気に笑って、
お兄さんの俺を
『濵ちゃん濵ちゃん!』なんて、
笑顔で駆け寄ってくるから
嬉しくて幸せやった
が小学校に入学するってなって、
不安そうな顔のが
『濵ちゃん居らん学校はつまらん』なんて
寂しそうにいう。
大丈夫やで、帰りも行きも一緒に行こ!
そう言って俺はを
安心させたっけな。
人見知りのせいで友達もなかなか出来んくて、
他の子と会話するのも苦手だから、
男の子も凄く苦手だと言ってた
中学校に入学する頃には、
その人見知りも前よりずいぶん良くなり、
友達と笑い合えるぐらいになってた
『濵ちゃん!』
そうやって駆け寄ってくるの横には
いつしか苦手なはずだった、
"男の子"もいるようになっていた。
『あのね、好きな子出来てん』
照れて笑う君の笑顔が、
初めて嫌やと思ったんだ。