第1章 中間淳太
ーー末澤side
先輩を一目見た俺ら新人は、
綺麗で優しそうやな
ってのが第一印象やった。
俺の教育係が先輩って言われた時は
とてつもなく嬉しくて
大声で喜んで中間さんに殴られたなぁ…
でも綺麗な人ってのは
必ず1つや2つ、
いろいろな噂があるもので
先輩は中間さんが好きだと聞いた。
嘘か本当かもわからない噂は、
社内の5割の人が
知っていた
だけど客観的に見ていても
2人は上司と部下って感じだから
みんな噂だろうということで
上の人らも気にもとめず、
異動という異動は
未だないのが現状である。
「先輩、このデータ入力って〜…」
『あ。それはこの前のと同じだよ!』
「でも出来ないんすよ」
でも俺には分かんねん!
入社したての頃、
先輩から『めっちゃチャラそう』って
言われた通り。
女の子に関しては分かんねん!
こう、気持ちというか?
先輩はきっと中間さんが好き
それを仕事に持ち込まぬように
仕事に打ち込んでる感じ。
『ねえ?末澤くん聞いてるの?』
「先輩の可愛さに見とれてまっ…
『殴るよ』
時々俺には暴力的。