第1章 中間淳太
「資料持ってくんのに何分かかっとるん?
お前の足には足枷でもつけられとるん?」
『他の仕事していた所に資料作りを
押し付けたのはどこの社長さんでしょうかね?』
「お前ぐらいやで?俺にそんなふうに
ああ言えばこう言い返すやつ、腹立つわぁ」
そう言って「もう出てってええで」
と感謝の言葉を一つも言わず、
手のひらではよ出てってとジェスチャー。
なんて自己中心的な人なのだろう!!
『失礼しました』
「ああ〜!ちゃんやん!」
ぐうぜーん!と
いつもやたら社長室辺りをうろついている、
社長に忠実な桐山さんと
同期の濵田さんがいた
「お疲れさまです。
これから会議ですか?」
「せやねーん、企画会議〜!
暇やから立ち話してた」
『暇なことないでしょう』
「適当言うなや照史。
会議でプレゼンする内容の相談しててん」
と真面目で良い人で有名な濵田さんが
桐山さんの頭を引っぱたく。
「未だ淳太くんにパシられとんの?」
「あいつも病気やなぁ」
なあ?とケラケラ笑う2人。
それを本人に言ってほしいものだ。
この2人は元は社長とお友達という関係らしい。
気づいたら会社立ち上げていて、
2人がフラフラしてたところ雇ってくれて
今に至るらしい。
「やべ、そろそろ行かんと」
「あー、ほんまや。
ちゃんと話すと時間狂うわ〜」
人のせいにしないでもらいたい。
「ほなまた後でなぁ〜!」
ばいばいっ、
と可愛く手を振る桐山さんを
はよしろやと走る濵田さん
相変わらずの関係だなあ…