第1章 中間淳太
にいにが高校へ進学して、
私は中学に入学した。
昔ほど私の相手はしてくれなくなった。
にいにはいつも分厚い本片手に
ブツブツ行って歩いているのをよく見た
『見て!中学の制服!』
「なんか新鮮やな。
小学校は私服やったからな」
『にいにも、大人やなぁ』
「そんなん。変わらんやろ。
学ランがブレザーになっただけやで」
にいには頭のいい学校に行った。
男子校だけど有名進学校。
大学の付属高校だ。
だから私は同じ高校に行けない。
「ほな俺、もう行かんと」
『え?入学式はまだ…』
「オトンたちにな、会うねん
弟も中学受験合格したらしいから」
またな。
優しく頭を撫でるにいに。
にいにの中ではいつだって、
家族が一番で。
私の存在は、薄っぺらい
『なにしてるの?行くわよ』
『あ、うん』
格差がある、釣り合わないと言う、
気持ちに気づいてからは
身に染みてよく分かる