第1章 中間淳太
彼はお金持ちだ。
住んでるお家は豪邸だし、
庭にはプールがあって
テニスコートだってある。
部屋数は多くって、
とりあえずとてもとてもお金持ちだ。
だから人よりも博識で、
友達もとても多いと聞いた。
私と出会ったのは、
母親が彼の家で
家政婦として仕事していて
彼の母と私の母はとても仲良くて、
よく私も連れていかれ
彼の相手をしてあげてた。
標準語を話す私からしたら、
関西弁の彼は
とても新鮮だった。
『にいに、これ教えて!』
「これはな、足し算って言うねんで」
にいに、と彼を呼んでいた
彼には兄弟がいたけど
父親と関西にいるんだと聞いた。
彼は勉強のためこちらに来ているらしい。
「小学校で習うねん!
ちゃん1つ賢くなったな」
『ホント?やったあ!
にいにと同じ!かしこくなった!』
「ほんまやぁ!同じやなあ!」
3つ上だったけど、
私の中では
彼がすべてだった。