第7章 小瀧望

『…もう照史しつこい、どっか行って』

「泣かんように居ってやってるやん」
『余計なお世話やゆーねんで』


へへ、嬉しいくせに〜
なんてお節介もいいところだ。


こいつはそういう奴なんだけどさ…



『ねえ照史』

「んー？」


『…なんもない』



私ばっかり好きや。

こんなに想ってるのに、
それも私ばっかりや



「俺にしとく？」


降ってきた言葉は、

切なそうな顔をした照史が
傷ついてると分かりやすくしていた


『泣きそうなんあんたやん』


やめとき、と言うと

ほんまやってと
これまた引き下がらない照史



「俺なら両想いをあげられる」


欲しない？

そう惑わす一言に、


『私が欲しいんは、
望との両想いだけやから』


平然とした顔で

傷つける言葉を返していた。


「…そうやんな」


君の中での私はどれくらい？

少しでも可愛い私かな。
ちゃんと笑えていたらええなぁ。


衝動的に抱きしめたくなるように、


あんたも私に、

衝動的に好きって思えばいいのに。