第6章 藤井流星
藤井くんの人気を改めて
思い知らされたのは、
クラスの女の子たちから
『お願いっ!』
クラスの雑用を、
代わりにして欲しいと頼まれたから。
いつもなら断っちゃうけど
暇だし良いかなって
OKしちゃった。
理由は藤井くんらしい。
バスケの助っ人で
小瀧くんと試合してるみたい。
『ここまで山積みだと…時間かかるなあ』
まあいっか、暇だし。
なんて言ってみたけど
1人だと寂しくて
「俺が手伝ったるわ」
現れたのは…、
『藤井、くん?』
「面倒そうやけど、しゃあなし
帰りにお菓子奢りな〜。よろしく」
よっしゃやるで〜と
私の手に持っていた沢山の紙を
奪い取る藤井くん
『バスケ…は?』
「疲れたから抜けてきた。
濵ちゃんに押し付けて」
濵田くん、バスケ得意なんだ…
「バスケしとるより、
ちゃんと居る方が楽しい」
ね、と
微笑んだ藤井くんは
そのふわふわした笑顔を向けて
「やから好き」
んふふ、と
嬉しそうにまた笑う
end.
「望はうるさいから嫌いやし。
濵ちゃんアホやから疲れるし」
『藤井くんも変わんないと思うよ』
「ええ?俺はアホちゃうし」
『ふふ。そうかな?』
「ほんまは頭ええねんで〜俺」
『そうなんだ』
「ちゃんの前では
カッコつけさせてや?」
『えっ…』
「んふ、はよやろーや」