第5章 神山智洋
「無理して一緒におらんくても
別にええと俺は思うで?
でも、それで後悔せえへん?」
『私は…』
昔、ずっと仲良くいよなって
2人小指絡めて指切りげんまんした。
智くんのお家は
いつも喧嘩して大変だったから
私だけが心の拠り所と言っていた
だからこそ、今ならわかる。
幼馴染みとして居られなくなったら
きっと智くんは私から離れてってしまう。
『りゅうくん、私な。
智くんと居れるならなんでもええ』
「まあ…神ちゃんが納得すればええけど」
りゅうくんはそう笑って、
俺がおるから大丈夫やで!なんて
優しく笑ってくれた
「〜!居った居った!
捜したんやで、流星と何話しとん?」
いつものようにニコニコ笑って、
質問してくる。
「なんでもないで〜。な?」
『う、うん…』
「流星に聞いてへんしっ」
「ちゃん照史に
呼ばれてたやろ?はよ行ってき」
「え?そんなん聞いてへんよ」
『い、行ってくるな』
智くんの横を通り過ぎる時、
微かに聞こえた智くんの声
「……なんでなん」
傷ついた顔を見たとき、
私はどうしたらええか分からんくなった。