第4章 重岡大毅
パタンと持ってた本を倒すと、
見えたのは携帯電話。
『えっ』
「読んどるフリ」
へへ、と笑った。
だから本を見つめながら笑ってたんだ。
「誰か待っとんの?」
本(ケータイ)に飽きた彼は私に話しかけてきた。
私は本に戻りたいけど
無視するのもなんだかなあと相手する事に。
『はい、友達待ちを。』
「俺もやねん、2時間は待ってるわ〜」
まだなんかなーと欠伸をする。
2時間待つなら先に帰ればいいのに
意外と優しい人だな…。
「なあ、これ見て」
本を持つと、私の隣まで来て
たぶんさっきまで読んでたページを見せた。
「誰かに似てへん?」
これこれ、と指すから
誰だろうと真剣に考えてみた
けど、分からない
「えー!分からへん〜??」
『分からへん…』
「これはじゅっ…、
「なに知らん子に絡んどんねん」
真後ろから聞こえた声に私と彼は
「『うおっ!?』」
と変な声を出して驚いた。
「仲良く声揃えて。」
「うわあ〜淳太やーん」
「淳太やんあらへんねん、帰るで」
「遅いから相手してもらっててん」
誰なん?と私を見る、淳太さん?は
睨んでるみたいだった。