第4章 重岡大毅
しばらくしてしげが戻って来た。
「おー!濵ちゃん!」
「よ、しげ。神ちゃんも」
「しげに無理やり連れてこられた」
神ちゃん、って男の人は
私を見るなりニコッと微笑んだ。
うわぁぁ、ちょっとキュンってした。
これが胸きゅんか。
濵ちゃんでもしたことなかったのに。
「何ちゃん?」
神ちゃんさんは私に視線を移して
話しかけてきた。
『、です』
「ちゃんか。俺は神山智洋
とも、って呼んでほしいなー」
『はい。ともさん!』
「ぶはっ、ともでええやんか(笑)」
『慣れなくて、ともくん、でいい?』
「おん」
ともくんは優しい人だ。
私が人見知りだからグイグイきたりしない
ふわふわしてるから緊張もしない
どこか、しげと似てるところもあるな。
「そこだけ仲良くすんなや〜〜〜〜」
しげがともくんに抱きつく。
「うあっ!重たいっ、て!」と
後ろのしげをバシバシ叩いて抵抗する。
「もーしげ!乗っかるなや」
「なあなあ淳太んとこ行かへん?」
「はあ?急になんでや」
「ええやん!ちゃんも行こ!」
またもう、と呆れるともくんは
私を見て「ごめん、付き合ったって」
と顔の前で手を合わせ謝った。