第4章 重岡大毅
「アホやわ〜」
『うっさいなぁ…』
大事に拾った生徒手帳と鍵。
生徒手帳を見るからにして、
これは他校のもの。
それに男子校だ
鍵を拾ってしまっては、
今日中には返したいところだが…
「俺もついてったるわ
そこ、友達おるしええで〜」
ちょうど暇やったし、
なんて生徒手帳を私の手から奪う。
「ふうん、重岡…大毅、ね。
ガキみたいな顔しとるなあこいつ」
『のんちゃんよりだいぶマシやろ』
「はあ?俺の魅力に気づいてへんとか
ほんま日本人の恥なんちゃん」
『オーバーやねんて、いつも』
まあ、これで心配は解決だ。
それにしても男子校に友達なんて
初めて聞いたけど…
「流星と淳太くん、知っとるやろ?」
『知ってるで。へえ、淳太くんね』
「え、なに?」
『女慣れしてへんのこれか』
「あいつ意外とモテるねんで
俺らの高校にもファン居るぐらいやからな」
え、ファンとかおるの!?
なにファンって…
「んふふ、流星に会えるなあ?」
にやにやして私を見る理由。
うん、まあ、
これは後々分かるからな…