第4章 重岡大毅
「神ちゃん神ちゃん…、ってあれ!
ちゃんもおるやん!お久ー!」
「相変わらずドタバタうるさいなあ」
「あはは〜好きなくせにぃ〜」
「もう、うるさいねん、
ごめんねちゃん…。」
神山くんにウザ絡みする重岡くんは、
ごめんごめん〜った笑いながら謝る
もう諦めよう、
諦めるって決めたんだから。
『わ、私っ、濵ちゃんに用あるから』
「そうなん?分かった〜またな!」
神山くんはニコニコして
手を振るが、
重岡くんだけは無言で見つめてた
「…んで?俺んとこ逃げて来たん?」
『逃げてないし…逃げてないもん…』
「どうでもええけど神ちゃんと仲ええ時点で
もうしげ絡むって分かるやろ」
『…良いじゃん、神山くん良い人だもん…』
「否定はせんしむしろ肯定派やけどぉ、
お前は〜…アホやなあ」
重岡くんと知り合えたのも濵ちゃんのおかげ
だけど今となっては、
挨拶程度で済めばよかったなって思う
「ほんまに諦めるん?」
『だって…』
「俺は、諦めなくても
ぜっっったい大丈夫やと思うよ」
濵ちゃんのその一言は、
諦めようって決意した私の意思を
簡単に揺るがす言葉だった。