第3章 桐山照史
ぐっ、と手に力を入れられ
彼が焦ってるのに気づいて見上げた。
翌朝に照史くんが迎えに来て、
さあ仲良く登校だ!と
笑い合って歩いていたところ
「おはよ、ちゃん」
微笑み立つ朝田くんの姿があった。
さすがの照史くんも
目を見開き驚いていた。
「に何か用?」
「はは。なんで君に言わなあかんの?
用なら直接言うから邪魔しんといて」
「してへんわ。お前やろしてるの」
「ぼく?まあせやなー、してるかもな」
バチバチに火花が散る二人の間
どうにも止めに入りきれずに
あたふたしていたら
「朝っぱらから仲良く喧嘩ですかぁ」
チリンチリーン、とベルを鳴らしながら
2人の横に自転車が止まった。
「わ、重岡」
朝田くんが呟いた。
「嫌そうに俺の名前言うなや」
「なんでお前ここにおんねん」
「通学路やここは。
お前こそなんでおんねん
家もっと向こうやろ?」
「関係な───
「あーー!俺に会いたかったかあ!
そうかそうか〜ならメールしいや〜
家まで迎えに行ったったのに!!」
やだ朝田くん♡
なんて照れた演技をする彼。
えっと、重岡くん?
「ほら始まった、ウザ岡…。
朝から無理やねんてそのテンション」
「仲良く2人乗りしますかっ」
「せえへんわ!怒られるやろ」
「遠慮せんでええねんで?
俺生徒指導の先生に顔きくねん」
「なんでーや」
「仲良しやねんっ」
「きしょくわるっ」
「なんでや!!!」