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俺らと粉モン食べへん?

第3章 桐山照史







泣き虫な私が心許せるのは彼だけで、


安心して笑い合って
それがずっと続くと分かったら

幸せすぎてどうにかなりそうだった。





今まで好きな人はたくさん出来た。


それなりに人と付き合って来た。
彼はそのたび切なそうな顔をしていた。



今思えばかなり残酷な事をしていたなぁ。




「ちゃんってさ」

『はい?』

「ずば抜けて一番可愛ええよな!」




へへへ、と笑う彼は

照れたように頬を赤らめた。



『そんなことない、です』




照史くんに言われたらどれだけいいか。


なんて、本人に言えたなら
それはそれで勇気のいることなんだけど…。





「!帰るでー!」



廊下から聞こえた彼の声に

カバンを取って立ち上がった。



隣の彼に『また明日』と告げると、

「うん。また」


私だけを見て笑った。




走って照史くんに駆け寄ると、

パチンッ、とおでこを叩かれた。



『いてっ』

「痛いちゃうねんアホ。
すぐ来んかい。ヘラヘラしよって」

『してないよ〜』

「あいつ誰なん?」

『朝田淳弥くん』




ふぅん、と頷いただけで
照史くんは一歩先を歩いた。







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