第3章 桐山照史
「授業中よく騒ぐんすよ!紫耀のやつ」
「あいつアホやもんな」
『お兄ちゃんもアホでしょ』
「俺はアホやないで?抜けてんねん」
ぷんぷん、とか口で言っちゃうあたり
本当に紫耀の兄だな…
「……なんなんほんま、」
後ろで怒って拗ねてる照史くんが
小さく呟いた。
『照史くん?』
「俺が居るのに他の男と
ペラペラ喋ってええ度胸やん」
『照史くん…?ど、どうし』
「そいつ誰やねん!!!
和也とか紫耀とか誰や!!」
ギロリと睨まれ、
和也くんもビクッと怖がる。
またか…と淳太くんとお兄ちゃんも
呆れている様子で。
『あの。怒ってるとこ悪いんだけど
紫耀は弟、和也くんは弟の友達…だよ?』
「…は?」
『たぶん昨日見たんだよね?
あれは紫耀って言って弟なの。』
「…また勘違い?」
『そうだね、ごめんね?』
はぁぁ?と脱力。
兄妹多すぎやから…と
笑う照史くん。
『まさか見てるとは思わなかった』
「まあしょーはシスコンやからな
会うたびに"おねえ〜!"言うて
走って抱きつくからな。」
『止めてって言ってもやめないもん』
「一生直らへんで」
「…もう言うてや!!!」
もう嫌や!!と
叫んだ彼は妄想癖がある。
もう嫌なのは私の方なのにな
end.
「おねえ〜!!」ギュッ
「それをやめえ言うてんねん!!!」
「うわ!!?だれ!?」
『照史くん。』
「噂の彼氏?うわ、イケメンやん」
『紫耀のせいで怒られたんだよ』
「ぼく?なんでーや。弟やで?
なんも関係ないやんかーー」
『関係してくるような人だから
おねえも真剣に怒ってるんだよ紫耀』
「へえ〜〜」
『へえちゃうねんボケ』