第3章 桐山照史
照史くん?
教室から出て来たが
不安そうな顔。
「あいつの事、嫌わんといてやって
悪気はなかったんやと思う。」
『…うん、分かってる』
は俺の腕をきゅっと掴むと
助けてくれてありがとう
と小さく呟いた。
「…帰ろう」
こくん、と頷いたの隣を
お互い黙って歩いていた
「なあ」
『なに?』
今言ってしまえって大丈夫なんか
沈黙を破り、
話しかけたのは良かったが
戸惑って続きが言えず。
小さく息を吸った。
「今俺がお前のこと好きやって言うたら
…俺のこと、嫌いになるか?」
バクバク心臓が鼓動を打つ、
ああ振られるよな。
ぎゅっと目を瞑り、
覚悟を決めてもう一度目を開く。
『…私も好きだよ、って言うかな…』
へへへ、と頬を赤らめ笑う君。
「ほ、ほんまぁ?」
『…本当だよ』
守ると誓ったあの日から、
俺の中で君は特別な存在やった。
騎士を気取った俺に、
優しく笑いかけて手を握った君は
『ずっと前から好きだったんだよ』と
小さな小さな声で呟いた。
end.
もう嫌だと泣いたあの日、
大丈夫か?と助けてくれた照史くん。
貴方は気づいていないでしょうけれど
あの時の貴方は私から見たら
凄く光り輝いて見えて
この人の事が好きなんだって
瞬間に気づいたのよ