• テキストサイズ

俺らと粉モン食べへん?

第3章 桐山照史







「…ったぁ、何すんねん!!!」


「おまえ彼氏なんやろ。
彼女が嫌やって泣いとるのに
無理やりしようとするとかおかしない?」

「…」


「合意の元やったら俺は何も言わへん
でも、離してって。嫌やって。
こいつが叫んでる言葉がお前の耳には!!
まっったく聞こえてへんかったんか!?」



体を震わせて、

俺の後ろに隠れて泣いてる。



これが合意の元なんてわけないやろ



「あーーー。だる、もうええわ」



頭をわしゃわしゃ掻き乱して、
男は立ち上がった。


「簡単にやれそうやな〜って
そう思ってんけど。間違えたわ」


「はあ?」


「それにこいつと付き合ってても
なーんも楽しないし。じゃあな」




反省もせず立ち去るソイツの顔は、

悪いやつの顔ではなかった




せやから俺は後を追いかけて、
そいつの腕を掴んで引き止めた。


「…ほんまか?ほんまに、」



必死に問い詰めたら、
観念したようにため息をついた。


「…好きにさせたるからって。
そう必死に説得して付き合ってくれてん
でもどんだけ頑張ってもの心は
俺には振り向かんって気づいてしもうたんや
やから、俺は焦ってあんなこと…」




ごめんって謝っといてくれ、


そう言って立ち去った男。










/ 262ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp