第3章 桐山照史
それからお昼ご飯は
中庭ではなく屋上に変えた。
勝手に気まずくなって馬鹿みたいな
【ちゃん!明日から俺、
そっちに行くからよろしく!】
智くんからのメールに、
悲しい気持ちが少しだけ紛れた。
そうだ、別に桐山さんが
誰を好きになろうと関係の無いことだ。
何を気にする必要があるんだ
『…っ、』
思いきりご飯を口に放り込んで、
すごい勢いで食べた。
ガチャ
滅多に人が来ない屋上。
ゆっくり開いたその扉には
小瀧さんが立っていた
「わ。人がおる〜、めっずらし!」
チャラくて有名なだけあって、
初対面なのにペラペラ1人で
お話する小瀧さん。
「せっかくやし、一緒に食べてええ?
しげな、照史に取られてもーてん!」
1人寂しいやん?
と同意を求められ
ぎこちなく頷いてみた。
桐山さんも小瀧さんも、
変な人。
私なんかと食べて
何が楽しいのだろう?
「俺さ〜、恋バナとか苦手やねんな〜
あの娘かわええとかよう分からへんしさ」
『私もです』
「ちゃんは好きな人おらんの?」
『…いえ』
「なら俺が立候補してもええやんなー!」
よっしゃ頑張ろ!
と張り切る小瀧さん。
やっぱり彼はチャラい。