第2章 濵田崇裕
ねえねえ、はまちゃん!
満面の笑みで君が駆け寄って来て
じゃじゃーん!と効果音付きで見せたのは
「…んん?なんやそれ」
『この前の写真!どれ欲しい?』
私のお気に入りはこれ〜、
と机にいっぱいの写真広げて
思い出を語る君
俺の思い出は、何も無い。
何も無かったことにされたことが
俺の中での思い出やな。
「どれも一緒やん、ピースサインばっかやし」
『この花火とか綺麗やん!』
「望がはしゃいどるのが気になるわ」
望くんか〜、
とニコニコ写真を眺める君に
少しの抵抗で、手に持った写真を取った
「こっちも綺麗やで」
諦めきれへんのは、
長い時間、一緒におったからなんやろな
" さようなら恋心 "