第2章 濵田崇裕
追いかけて、手を掴んだ。
驚いた君は目をまん丸にして
また微笑んだ。
『どう、しました?濵田センパイ…?』
どうしようもない。
やって俺、愛し方を知らんかった。
他に好きな人がおるなんて嘘ついて、
君を遠ざけて傷つけて
俺のことをずっと好きでいてくれる君に
ずっとずっと俺は甘えていたんや。
「好きや」
『……えっ?』
「ほんまに好きって気持ち、
俺は知らんかったから。
どうしたらいいかなんて知らんくて…」
真っ直ぐ愛す方法を君に教えてもらった
キラキラ眩しい君の隣に
俺は相応しくなんてないけど。
『センパイ、正しい愛し方なんて、
この世にはありませんよ。私も知りません』
「え?」
『でも私の正しい愛し方は、
1人を一途に想うことだと思っています
センパイ、気づいてください』
ゆっくり俺の前まで来ると、
優しく両手を包んだ
『センパイはとても素敵な人です
自分をもう傷つける事はやめてください』
こんな俺を愛して
傷つける事でしか愛せない
最低な男な俺を愛してください。
『言ったでしょう?
私、どんなセンパイでも味方です』
罪悪感でいっぱいになって、
押しつぶされそうになる俺に
君だけが優しく抱きしてくれたから。
end.
君さえいれば生きていける
そう言った俺を君が楽しそうに笑った
『そうですね。それは私も同じですよ』