第2章 濵田崇裕
1人歩く廊下。
楽しそうにはしゃぐ君を見つけた。
『もう!だから嫌だって言ったのに〜!』
「んは、ええやん、結果オーライって奴や」
『どこが!?流星くんが爆笑してましたけど!?』
心の中で、 ぐるぐる ぐるぐる 。
黒いモノが渦巻いた。
なんでこんなイライラしてんの、俺。
今までこんなことなかったのに
『あ!濵田センパイ!』
「ああ、ちゃん。
相変わらず元気やね〜?元気な子は好きやで」
『ほ、ほんと?やった!』
喜ぶ君を見て幸せを感じて、
後ろに立つ望が俺を睨んでいるのが見えた。
きっと都合良くちゃんに
ヘラヘラしてくっついとるのが気に食わんのやろ
『濵田センパイ』
「んー?」
ニコッと微笑むから
俺もなんとなく微笑み返した。
『私は大丈夫ですから。
言いましたよね。待ちますって。』
「あ、おん、言うたな」
『自己満足ですので平気です。
だからのんちゃんの事は気にしなくて
いいです!あいつ生意気なので!』
へら、と笑って立ち去ったちゃん。
気にするやろ。
気にするに決まってるやんか!