第2章 濵田崇裕
今江くんとコンビニに入って、
何か買うわけでもなかったけれど
アイス買おうということに。
「特別な。僕のおごり」
『やったー。何にしよ』
「高いのやめてな?僕いまピンチ
明後日からバイト始めんねん」
『えっ。なんのバイト?』
「居酒屋さん!ちゃんも来てや」
ここやでぇ
と見せられた居酒屋さんの写真。
濵ちゃんとよく行くお店だ。
濵ちゃんの知り合いがやってる店だよね?
「濵ちゃんが紹介してくれてん。
友達がやっとる店やから言うとくなって
そーいや、濵ちゃんは?付き合っとるんやろ?」
最近どーなん?
唐突に変わる今江くんのトークテーマ。
『付き合ってるよ。順調順調!』
吐き出せない思いも閉じ込めて
嘘ではない言葉を言って
にへっと力なく笑ってみせた。
「2人お似合いやもんっ。
でもまさかまだ続いとったとは…!」
『私もびっくりだよ』
「相性ぴったりやから長続きなんやね!」
うんうん、と頷く今江くんの肩に
ポンッと手のひらが置かれた。
「よー。今江、なにしてん」
久しぶりやんけ、と笑う濵ちゃんの姿。
今江くんも驚いて「うわお」なんて
アホな声を漏らした。