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俺らと粉モン食べへん?

第2章 濵田崇裕




「もー!驚かさんといてやあ!」

「歩いとったら今江見えてなぁ、
びっくりしたわ!真鳥は?一緒ちゃうん?」
「まとくんはまだアメリカー!」

2人は私より仲が濃い。

だから盛り上がるテンションも
まったく違うから。



私なんて蚊帳の外だ。


「あぁ、僕忘れとった!
友達と飯行くねん!じゃ、またな!」

「おう!またな〜!」


アイスを自分の分だけ取った今江くんは
ぶんぶん手を振り走り去る。



ひらひらと手を振り見送ったあと、

濵ちゃんはグルリと私の方を向いて
食べようとしてたアイスを取り上げた。


『あ』


思わずこぼれた声に、

「あ、ちゃうやろ?」


ん?と優しい顔して
謎の圧力をかけてくる濵ちゃん。


「今江と2人で仲良くして。
ええ度胸しとるやん?ちゃん」

『えっ』

「濵ちゃん、今日は優しないからなあ」



困ったなあ?と

近づけてきた顔。
スッと私の耳元に近づくと、


「…俺かて妬くんやで」



ひひひ、と照れ隠しに笑った濵ちゃんは
私の手を握り取り上げたアイスの角を1口、
がぶりと食べた。



暑い夏はまだなのに。



じんわり熱みを帯びてくる、

繋がれた手のひらに
変に意識しちゃって。



迫り来る濵ちゃんの唇に気づけずに。













end.



『濵ちゃん、それ私の』
「これ不味いで、やめとき」
『美味しそうに食べながら言わないで』
「あー不味い不味い」
『ねーえ!』
「他の男に奢ってもらったアイスなんぞ、
美味しいわけあらへんがな!」
『食べ物に罪はないもんっ』





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